岡山スカイガーデン山麓駅解体!!京山の遊園地の歴史と現地レポ!!2023年3月訪問

岡山県

こんにちは。

2023年3月上旬に岡山スカイガーデンの山麓駅が解体されました。

解体された跡地を見るため、2020年10月の前回の訪問から約2年半ぶりの2023年3月に岡山スカイガーデンの山麓駅へ訪れました。

山麓駅跡の場所

住所は「〒700-0015 岡山県岡山市北区京山2丁目4−18」です。

岡山スカイガーデン山麓駅の跡地の場所は、「池田動物園」の入口から「岡山県立烏城高等学校」方面へ150メートルほど歩いたところです。

京山の遊園地としての歴史

「池田動物園」や「岡山スカイガーデン」があるこの山は「京山」といい、標高は80メートルです。

「京山八方閣」と「京山ロープウェー」1956年から1964年

「京山」の遊園地としての歴史は、1956年(昭和31年)7月20日に開園した「京山八方閣」と「京山ロープウェー」から始まります。このときの事業者は、「岡山電気軌道」が出資をして設立した「岡山観光索道株式会社」でした。

「京山八方閣」は京山山頂にある白い円形の展望台でした。上階の展望台は床がゆっくりと回転し、岡山の景色を360度楽しむことができました。こちらは、現在も「京山ソーラー・グリーン・パーク」という太陽光発電実験施設として利用されています

「京山ロープウェー」は岡山で初めてのロープウェイで、山頂駅から山麓駅まで全長160mでした。定員は25人で、「しらさぎ号」と「かささぎ号」というゴンドラが山頂と山麓を4分おきに往復していました。

「京山ファミリーランド」1964年から1982年

1964年(昭和39年)4月、「岡山観光索道株式会社」は「岡山ファミリーランド株式会社」に社名変更しました。そして、「京山八方閣」を含む山頂施設全体を「京山ファミリーランド」と命名し、「京山八方閣」は「京山タワー」へと名前が変更されました。

「京山ファミリーランド」はロープウェイの駅舎を改修し、京山山頂にはプロムナードテラスを新設しました。夏季にはお化け屋敷を行い、夏の恒例行事として市民に親しまれました。

しかし、1970年代後半から来場者数が減少してきたため、1982年(昭和57年)に「京山ファミリーランド」は「岡山電気軌道」に吸収合併されました。それにより、施設は「京山ロープウェー遊園」へと名称変更されました。

「京山ロープウェイ遊園」1982年から1998年

「京山ロープウェイ遊園」は観覧車やメリーゴーランドなどの大型遊具を導入したため、多くの人々で賑わう大人気遊園地となりました。

しかし、1990年代に入ると入場者数は減少し、毎年赤字経営が続くようになりました。そして1998年(平成10年)6月に事業の撤退を決定し、同年9月6日に閉園しました。

「岡山スカイガーデン」1999年から2007年

一度遊園地は閉園しましたが、翌年の1999年(平成11年)におもちゃ王国を運営する「サンヨープレジャー」が事業者となり、名称を「岡山スカイガーデン」として再出発しました。

「岡山スカイガーデン」のロープウェイの定員は15人で、「こうらく号」と「うじょう号」というゴンドラが山頂と山麓を10分おきに結んでいました。

再出発したものの、施設の老朽化と駐車場不足を理由に2007年(平成19年)5月6日に閉園しました。

「京山ソーラー・グリーン・パーク」2011年から現在

「岡山スカイガーデン」の閉園から4年後の2011年(平成23年)2月1日、「岡山電気軌道」の親会社である「両備ホールディングス」が、京山山頂にある「京山タワー」を「京山ソーラー・グリーン・パーク」という太陽光発電実験施設として利用するようになりました。

観覧車などのアトラクションやロープウェイは撤去し、京山の斜面には「京山ソーラー・グリーン・パーク」までの登山道が整備されました。それによって「岡山スカイガーデン」の跡地を見学できるようになり、現在に至ります。

参考文献参考資料

山田恭幹『写真アルバム 岡山・玉野の昭和』(樹林舎、2019年、p.98、pp.188-189)

山田恭幹『岡山市今昔写真集』(樹林社、2012年、p.132)

これらの書籍には、昭和30年代の「京山八方閣」と「京山ロープウェー」の写真や説明が掲載されています。

絶叫REVIEW「これが岡山スカイガーデンだ! (part1)」
http://drkssk27.web.fc2.com/zekkyou/local/sky/sky01.html(2023年10月23日閲覧)

廃墟検索地図「京山ロープウェー遊園(岡山スカイガーデン)」
https://haikyo.info/s/409.html(2023年10月23日閲覧)

索道観察日記「岡山スカイガーデンロープウェイ ~東京索道最古の交走式」
http://cable.cocolog-nifty.com/sakudo/2006/01/post_3ba3.html(2023年10月23日閲覧)

Wikipedia「京山ロープウェイ遊園」
https://ja.wikipedia.org/wiki/京山ロープウェイ遊園(2023年10月23日閲覧)

Wikipedia「岡山スカイガーデン」
https://ja.wikipedia.org/wiki/岡山スカイガーデン(2023年10月23日閲覧)

両備グループ ポータルサイト「京山ソーラーグリーンパーク「京山ラボ・パーク」の研究施設完成セレモニー ―太陽光発電を利用した植物人工栽培研究施設の完成―」
https://ryobi.gr.jp/message/1705/(2023年10月23日閲覧)

解体された山麓駅

完全に更地になっています。

更地になる前の様子は、ここへ2020年に訪問したこちらの記事から見ることができます。

電信柱やバス停は残されています。

周囲は杭丸太とトラロープで入れないようになっています。

蛇口と汚水マンホールです。

立入禁止の表示はこの1枚だけでした。

残されたバス停

電信柱には、「京山(岡山スカイガーデン)バスのりば」と書かれたバス停があります。

地図に「岡山スカイガーデン」と「ロープウェイのりば」が掲載されています。

このバス停はロープウェイが現役の頃から使用されているものだと思われます。

跡地には何ができるのでしょうか。

京山ソーラーグリーンパーク登山道(京山登山道) 行き方と現地レポ!2023年3月訪問」へ続きます。

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