訪問・撮影日 2024年8月
公開日 2025年2月8日
追記・変更
2026年8月7日
●「休業年月日」「休業である根拠」「閉業年月日」を追加
2026年8月10日
●「当時の航空写真」を削除し、「設備」に統合
関連投稿
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「「スカイレスト ニューむろと」閉業理由や設計などの謎を考察-2025年3月記述」
「「スカイレスト ニューむろと」今も残る営業当時の看板-2025年3月訪問」
こんにちは。
2024年8月に、高知県室戸市にある「スカイレスト ニューむろと」という廃墟へ訪れました。
概要
「スカイレスト ニューむろと」は、高知県室戸市室戸岬町に存在したレストラン・宴会場・結婚式場などを備えた複合施設で、現在は廃墟として現像しています。
要塞のような独特の外観、営業時の情報が乏しく謎が多い、「稲川 淳二」さんも訪れた有名心霊スポットなどの理由から、非常に知名度の高い廃墟です。
場所
場所は高知県室戸市室戸岬町です。
室戸岬山頂に存在し、「室戸スカイライン山頂展望台」の付近に存在します。
知名度の高い廃墟であるため、インターネットで検索するとすぐに情報が出てきます。
室戸スカイライン沿いにあることから、アクセスが容易となっています。
歴史
開業年月日
開業年月日は、1972年(昭和47年)7月18日です。
根拠 高知新聞に掲載されている落成広告
1972年(昭和47年)7月18日発行の高知新聞には、全面広告で「室戸岬山上大洋ヶ丘に新名所誕生!! 7月18日OPEN!」という見出しの落成広告が掲載されています。
落成広告には、運営会社代表取締役あいさつ、建物の俯瞰写真、設備案内、協賛企業などが掲載されています。
レストランのみ先行開業の可能性
根拠 高知新聞に「十六日オープン」との記載
1972年(昭和47年)7月16日発行の高知新聞には、「展望レストラン完成」という見出しの記事に「東の室戸岬に山上展望レストランが十六日オープンする」との記載があります。
この記事に、「スカイレスト ニューむろと」という名称の記載はありません。
推測ですが、16日時点では名称を広く公開せずレストランのみ先行開業し、18日に名称を広く公開して全面開業したのではないでしょうか。
休業年月日
休業年月日は、1977年(昭和52年)11月10日から1978年(昭和53年)12月10日と推測します。
根拠 『四国年鑑』への協賛広告取り下げ年
1972年(昭和47年)11月10日高知新聞社発行の『四国年鑑1973年版』から、1977年(昭和52年)11月10日発行の『四国年鑑1978年版』には、「スカイレスト ニューむろと」の協賛広告が掲載されています。
ですが、1978年(昭和53年)12月10日発行の『四国年鑑1979年版』には協賛広告が掲載されていません。
休業である根拠
「スカイレスト ニューむろと」は閉業ではなく休業のため、営業を停止していました。以下の雑誌・書籍には、閉業ではなく休業と記載されています。
根拠① 『月刊土佐』に「休業中」との記載
1984年(昭和59年)に和田書房が発行した『月刊土佐』という雑誌には、「スカイレスト「ニューむろと」現在休業中」との記載があります。
根拠② 『室戸市史 下巻』に「休業」との記載
1989年(平成元年)に室戸市が発行した『室戸市史 下巻』という書籍には、「昭和四十七年室戸岬山上に建設された民間企業による展望レストランも休業するに至っている」との記載があります。
廃業年月日
廃業年月日は、1983年(昭和58年)6月1日から1984年(昭和59年)12月1日と推測します。
根拠 『高知県職業別電話帳』への掲載取り下げ年
1983年(昭和58年)9月に日本電信電話公社四国電気通信局が発行した『高知県職業別電話帳』には、「スカイレスト ニューむろと」の掲載があります。この掲載情報は、1983年(昭和58年)6月1日現在と記載があります。
ですが、次巻である1985年(昭和60年)3月発行『高知県職業別電話帳』からは掲載がありません。掲載情報は1984年(昭和59年)12月1日現在です。
ネット上では、「1999年(平成11年)まで電話帳に記載がある」という情報が広まっています。この情報について、どの電話帳によるものか根拠不明ですが、誤りである可能性があります。
営業期間
推測される開業年・閉業年・廃業年から、おおよその営業期間を明らかにすることができます。
1972年(昭和47年)開業、1978年(昭和53年)休業とした場合、6年間営業していたことになります。また、仮に1983年(昭和58年)廃業とした場合の期間まで含めると、11年間存在していたことになります。
筆者の想像ですが、室戸スカイライン利用者低迷で室戸岬山上の開発が頓挫したことにより休業したものの、将来利用者が増えることがあれば再開を予定していたのではないでしょうか。残念ながら利用者が増えることはなく、再開を諦めて廃業したと思われます。
運営会社・設計会社・総工費
運営会社
運営会社は1964年(昭和39年)2月設立の、室戸市に存在した株式会社です。この会社は地元の漁業関係者が資金を出資し合って設立した民間企業で、室戸市を拠点に観光施設の経営を行っていました。
1966年(昭和41年)3月に室戸岬の海岸沿いでホテルを開業、1972年(昭和47年)7月に室戸岬山頂に「スカイレスト ニューむろと」を開業しました。
本社はホテルに、支店が「スカイレスト ニューむろと」に置かれました。
その後、「スカイレスト ニューむろと」は1978年(昭和53年)頃に休業後再開されず、ホテルは2009年(平成21年)頃閉業しました。
現在、運営会社の存在は不明ですが、ホテルの閉業とともに倒産したと推測されます。
設計・施工会社
設計は高知市の建築設計会社、施工は大阪市に本社を置く会社です。
設計会社については、スカイレスト完成当時に記載されていた住所へ訪問しましたが存在しておらず、現在の存在は不明です。
施工会社は、現在も大阪市に本社を置いて存在しています。
総工費
総工費は、1972年(昭和47年)当時の金額で約1億2000万円です。
設備
昭和47年7月18日発行の高知新聞に、落成広告で掲載されていた設備一覧です。
全館冷暖房完備
収容人数400名
1階
レストラン
舞台付大広間の大宴会場(90畳)
土産品コーナー
2階
遊戯場
3階
展望レストラン
展望宴会場
展望和室
結婚式場
その他
屋外休憩場
駐車場
大型バス20台
乗用車100台
駐車場は「スカイレスト ニューむろと」の建物周囲にもありましたが、駐車場の大部分は北に200メートルほど離れた場所であったと思われます。
現在、この駐車場は「室戸スカイライン 高岡園地駐車場(山頂展望台駐車場)」として利用されています。
現地レポ

「室戸スカイライン 高岡園地駐車場(山頂展望台駐車場)」です。

山頂展望台からは、室戸岬を見渡すことができます。
この展望台は「スカイレスト ニューむろと」の近くにあり、同じほどの高さのため、「スカイレスト ニューむろと」からも似たような景色が楽しむことができたでしょう。

「室戸スカイライン高岡園地駐車場(山頂展望台駐車場)」から南に200メートルほど進むと、「スカイレスト ニューむろと」へ着きます。

中央に見える建物が「スカイレスト ニューむろと」です。

8月という真夏の時期に訪問したのもあり、草木が建物を覆っています。

特徴的な3本の柱と、張り出した展望部という構造がはっきりと分かります。

1階の入口です。天井は落下し、窓ガラスは無く、壁には多くの落書きがあります。
備品は残されていません。

建物裏手につながる道です。

マットレスや洗濯機など、様々な物が不法投棄がされています。

裏手から見る宴会場と思われる部分です。

建物裏側です。中央の柱から展望部が張り出しているのが分かります。

中央に伸びる3本の柱は原形をとどめていますが、張り出した展望部の外壁は完全に消失しています。
中央の柱、屋根、床は頑丈なものの、展望部の外壁が脆弱であることを表しています。

展望部の天井と床をよく見てみると、太いH鋼の鉄骨を鉄筋で巻き、その上からコンクリートで覆う「鉄骨鉄筋コンクリート造」で建てられていることが分かります。
「鉄骨鉄筋コンクリート造」は主に高層ビルやタワーマンションなどの大規模な建築物に用いられる構造で、「鉄骨造」や「鉄筋コンクリート造」と比較してコストも時間もかかります。
「鉄骨鉄筋コンクリート構造」が取り入れられているということが、強風に耐えられる頑丈な設計であることを表しています。


不法投棄禁止の看板の横に、千羽鶴が括り付けられています。
不法投棄禁止の看板があることから、ここは不法投棄が常習的に行われている場所になっているのでしょう。
まとめ
以上が、「スカイレスト ニューむろと」の歴史・施設内容と現地レポです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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